総会決議無効確認等請求事件裁判レポート③

皆さま、お待たせしました。

10月26日(火)に行われた総会決議無効訴訟の本案訴訟第3回目についての傍聴レポートです。ちょっと長くなりますが、お読みください。

被告側が主張を一部撤回!?

民事訴訟の場合、被告・原告それぞれが、次の口頭弁論で述べようとしている意見や考えを、あらかじめ書面に書いて裁判所へ提出し、また相手方に送っておく作業があり、この時提出する書面を『準備書面』といいます。

当ブログの第2回口頭弁論レポート内で「第70回定期総会が無効となった際の選挙の有無、また町会員の選挙権の認否、等について被告(豊洲町会)が書面で提出する予定」とお伝えしてありましたが、被告側が9月9日と10月12日に提出した準備書面には「第70回定期総会が無効となっても、臨時総会で会則改正が再承認されれば、改正前の会則は無効となる」という主張が書かれてありました。

前回、裁判長からも「第70回定期総会が無効と認められたら旧会則が復活するので、選挙やその後の会計監査は当然と思うが?」と言われ、被告(豊洲町会)代理人の山岸顧問弁護士も口頭では裁判長の発言に同意していただけに、その同意を覆す『あくまで臨時総会を開催し第70回定期総会の会則改正を認めさせる』という主張が出された事は大変な驚きでした。

ところが、さらに驚いたことに、今回第3回目の口頭弁論で、被告(豊洲町会)がその準備書面について、『法律上の勘違いをしておりました』として一部分を削除する(つまり、意見として述べないこと)旨の発言がありました。

え???(゚Д゚≡゚д゚)ドウシテ!?

その削除部分は、今回争点の根幹ともいえる第70回定期総会の有効性についての被告(豊洲町会)側の考えをまとめて主張する『結びの部分』だったので、そこを『法律上の勘違いをしていた』と言い出すのはどういうことなのか??


また、主張の変更があった場合、裁判所と原告側に事前に書面で伝えておくべきでは?とも思いましたが、それができないくらい口頭弁論直前に勘違いに気付いたということなのか?

謎が渦巻きました・・・(; ̄Д ̄) 

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原告側は請求権発生根拠の整理を


原告(会計監査役)側は、本訴訟の基となる『訴状』(第70回定期総会の無効確認、会計監査役の地位保全、改正前の会則に基づいた会長及び会計監査役の選挙施行と会計監査の実施等を請求する内容)を5月31日に提出後、7月1日に「原告の会計監査役の選挙権の確認」を追加請求した『訴えの変更申立書』を提出、さらに10月19日にこれまでの訴状の「改正前の会則に基づいた会長及び会計監査役の選挙施行と会計監査の実施」の部分をより具体的に日数期限を盛り込み実施を請求する内容に変更した『訴えの変更申立書2』を提出しました。

このような追加や変更を行った理由は、これまでの口頭弁論や準備書面から『被告(豊洲町会)側は第70回定期総会が無効となっても選挙をする意思がないこと、このまま被告が会則改正を正当化し続けていると町会長の意に沿う新会長及び新会計監査しか選べない状態になってしまうこと』等がわかってきたため、より具体的な請求内容が必要と考えたからです。

この原告(会計監査)側の請求内容に対して、裁判長から「被告(豊洲町会)に選挙を求めるための『請求権』について、根拠をより明確に整理してください」との意見がありました。

これまで、豊洲町会では2年毎に町会長と会計監査役の改選選挙が行われてきました。今までは対立候補者が出なかったので結果的に投票とはならずにきましたが、毎回、会則と選挙規定に沿った民主的な手段で「改選選挙」は運営されてきたのです。


しかし、現在の豊洲町会は、私たち町会員に対して、会則に則った町会運営を行う義務を怠り、なされない状態に陥っています。

本来であれば、前回から2年後の令和3年3月か4月には選挙されていたはずです。改正前の会則にもとづいた会長及び会計監査の改選選挙が行われるよう、原告である会計監査の方々には、会則に基づきより明確な請求内容に整理してもらえることを期待したいと思います。

 

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 「白紙委任」説明口調が変わってきた!?

今回、白紙委任票について、原告(会計監査役)・被告(豊洲町会)双方ともに『欠席して委任状も出さない数』という点については共通認識である事を確認できましたが、原告側の「総会で決まったことに従うだけであった」という主張に対し、被告側は、「『さらに出席とみなし+賛成?とみなす』という取り扱いだったと思える」と言っていました。


え、え~??Σ(=゚ω゚=;)

「そういう取扱いだったと『思える』」っていう、そういう曖昧なレベルの話を『従前からの慣習だ!!』と決めつける口調で総会資料に書いていたんですね!?

それって、どうなんでしょうね・・・??(゚ロ゚;)エェッ!?
 

それを受けて、裁判長は「白紙委任票は、今回の訴訟には関係ないのではないか?」という指摘もされていました

 

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保全異議申立てが退けられた中での臨時総会

さて、今回の裁判は、前提となる仮処分の保全異議訴訟で被告である豊洲町会が敗訴し、それを何とかしようと被告が臨時総会を11月7日に開催しようとしている状況下での裁判でした。


原告(会計監査役)側からは、保全異議訴訟の決定書は裁判所で取り調べがなされたようです。しかし、被告(豊洲町会)代理人の顧問弁護士からは、保全異議に反して臨時総会をするなどの話はありませんでした。


現在、豊洲町会の会員には『11月7日開催予定の臨時総会のお知らせ』が配られていますが、保全異議申立てが退けられた現状況下での開催について、被告(豊洲町会)代理人の顧問弁護士は、どう考えているのでしょうか?


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いったいどの会則にするつもりなの?

  

今回の臨時総会お知らせには、『(第70回定期総会の)会則変更の追認が認められるならば、改正会則は令和2年4月1日に遡って適用され、追認が認められないならば今回の決議の時から適用』と書かれてあります。


==「無効なものの追認は無効」って裁判所で言ってましたよね==

んんん???Σ(=゚ω゚=;)

第70回定期総会が開催されたのは令和2年6月でしたので、総会が開かれる前の『令和2年4月1日』に遡って適用って、無効なのでは??

今回豊洲町会代理人の顧問弁護士が「無効なものは追認しても無効」と裁判で言われていたので、やはりこれは無効なのでしょうね。

==令和3年11月6日までは旧会則が有効であることが前提?==

『追認が認められないならば今回の決議(令和3117日)から有効』となると、じゃあ、前日の116日まではどの会則が有効になるの??論理的に考えれば、やっぱり旧会則・・ですよね?


もし旧会則に沿うのであれば、上述のように令和33月か4月には会長改選選挙が実施されていたはずですから、追認が認められなければ、11月6日までの旧会則に沿って3月か4月に行うはずだった選挙も実施されるべきでしょうね・・・?

==第71回定期総会での会則再改正はどうなるの??==


・・・いや、ちょっと待って!(゚Д゚)☆★☆

今年5月に開催した第71回定期総会の会則は、1年前の第70回定期総会での会則改正が有効との前提にたって再改正されていますよね??
(その再改正の会則に沿って、すでに慶弔費の小中学校入学お祝いも始まっています)

結局のところ、令和3117日からは、一体、どの会則が有効となるのでしょう?
何だか、考えれば考えるほどよくわからなくなってきました・・*:.。.(>_<).。.:*・゜

皆さんは、どのようにお考えになりますか?

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混乱を整理するためにも、仕切り直しの選挙を!

被告(豊洲町会)が改正したと主張する新会則は、第70回は会長の選任権が役員会と総会どちらにもあるような矛盾したものとなっており、第71回は会長の選任権が誰にあるのか不明となっています。

これらの点について、
第2回口頭弁論では裁判長からも説明を求められていましたが納得いく説明はなく、今回の口頭弁論でも一切説明がありませんでした。

論理矛盾から新会則の内容自体が無効になることを懸念し、あえて言及を避けたのでは?とも考えられてしまうのですが・・・

町会運営の要(かなめ)となる会則が、いったいどれなのか?はっきりせず混乱をきたしてしまっています。今後の総会等での議決権行使が難しくないでしょうか?

ここはやはり、選挙をして、この混乱を整理し、仕切り直しをした方が良いと思いませんか?

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次回裁判のお知らせ

 次回期日 (第4回 口頭弁論期日)

2021年12月10日(金)
午後1時10分 6階610号法廷


お時間と興味のある方、ぜひ傍聴にいらっしゃいませんか?

豊洲から有楽町線で「桜田門駅」5番出口から徒歩約3分です。

https://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html